(2) 垂直切離断端

(VM:verticalmargin)

・肉眼的所見

eVMX:垂直切離断端の癌の露出の有無を判定できない。
eVM0:垂直切離断端に癌の露出を認めない。
eVM1:垂直切離断端に癌の露出を認める。

・切離断端

pVMX:垂直切離断端の癌浸潤の有無を判定できない
pVM0:垂直切離断端のいずれにも癌の露出を認めない
pVM1:垂直切離断端のいずれかに癌の露出を認める

 癌遺残度(R:residualtumor)

36

(規約24頁)

RX:遺残腫瘍の存在が評価できない。presenceofresidualtumorcannotbe

assessed

R0:遺残腫瘍なし。noresidualtumor
R1:切離端または剝離面が陽性。microscopicresidualtumor
R2:遺残腫瘍あり。macroscopicresidualtumor

(1) 内視鏡的癌遺残度の判定

37,38

(規約32頁)

eRX:切離断端の癌の露出の有無を判定できない
eR0:切離断端に癌の露出を認めない
eR1:切離端または剝離面に癌の露出を認める
eR2:遺残腫瘍あり

(2) 病理組織学的癌遺残度

39,40

(規約35頁)

pRX:病理学的に切離断端の癌浸潤の有無を判定できない
pR0:切離断端に癌の露出を認めない
pR1:病理学的に切離断端に癌の露出を認める
pR2:癌の遺残を認める

6

 組織学的記載事項

脈管侵襲(ly,v)

41

(1) リンパ管侵襲

(ly)(規約29頁)

ly0:リンパ管侵襲を認めない
ly1:リンパ管侵襲が軽度の場合。1~2個のリンパ管に侵襲を認める
ly2:リンパ管侵襲が中等度の場合。ly1とly3の中間
ly3:リンパ管侵襲が高度の場合

内視鏡治療例(規約34頁)
 ly(-):リンパ管侵襲を認めない
 ly(+):リンパ管侵襲を認める

2)

36:癌遺残の評価は原発

巣,転移巣のすべてを対象と
する(規約24頁)。

37:臨床的癌遺残度の判

定は,切除標本のヨード染色
所見を参考に行う。分割切除
例では切除後のヨード染色所
見を含めて判断する(規約32
頁)。

38:この判定法は扁平上

皮癌に適応される(規約32
頁)。

39:分割切除では可及的

に標本再構築を行い評価し,
複数病変の治療時には個々の
病変に対し別々に評価する

(規約35頁)。

40:分割切除例における

組織学的切離断端陰性の判定
は,再構築が可能で,かつ病
変周囲に非癌組織が確認でき
る場合に限る(規約34頁)。
pRX:切離断端の判定不能
1)挫滅あるいは焼灼の影響
により断端に非癌組織を確認
できないもの
2)分割切除で再構築できな
いもの
3)上皮層の基底側に非連続
性の癌の拡がりが認められ,
癌の遺残が疑わしいもの
4)導管内進展がみられ,深
部切離断端陽性が疑われるも

5)そのほか癌遺残の有無が
判定できないもの

1)

41:

・内視鏡的切除検体などでは
追加治療の判断材料となるた
め,免疫染色(D2—40)で確
かめることが望ましい。
・リンパ管,静脈の区別が困
難な例ではly/v(+)と記載
する。
・リンパ管侵襲,静脈侵襲が
目立つ時はその旨記載する。

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食道癌