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第7章研究者M その可能性は否定できません。Y教授研究者M うーん,亡くなってしまったら人工呼吸器からは離脱することになるので,A群の人工呼吸器からの離脱は早いという結果になるかもしれません。 その場合,鎮静薬Aは優れているといえるでしょうか?Y教授研究者M いいえ,死亡した方が研究のアウトカムに対して有利になってしまY教授 若手研究者M:人工呼吸管理中の患者に用いる鎮静薬Aと鎮静薬Bのうち,どちらが人工呼吸器からの離脱が早いか比べたいと考えています。 Y教授:なるほど,アウトカムは人工呼吸器からの離脱ですね。ちなみに,いずれかの鎮静薬によって死亡のリスクが高まる可能性はないですか? では,仮にA群の死亡する割合が高かったら,結果は見かけ上どうなると思いますか?うのはおかしいと思います。 それでは,死亡を競合リスクとみなした競合リスクモデルを使ってみたらどうでしょうか?研究者M 「競合リスク」ですか???110 本章では,従来の生存時間分析(カプランマイヤー法やCox回帰分析)に1生存時間分析とは生存時間分析における競合リスクモデル― 死ねば人工呼吸から離脱できる?

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