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患者A患者B患者C患者D患者E死亡の発生割合=3人/5人死亡の発生率=3人/14人年図7‒1  5人の患者を4年間追跡した例死亡死亡1203生存生存死亡4年112ともに変化します。例えば,日本における20歳の人々の死亡のハザードは非常に低い値です。しかし,年齢が上がるにつれ,死亡のハザードは右肩上がりに高くなります。このハザードを表現する数式をハザード関数(hazard function)と呼びます。 なお,このハザード関数と1対1に対応するのが生存関数(survival func-tion)であり,ある時点までに生存している人々の割合(生存割合)を表します。各時点のハザードがわかれば,各時点の生存割合も推定できます。 コホート研究やRCTでは,研究期間終了までにアウトカムが発生しない患者も存在します。また,何らかの理由で研究から脱落し追跡不能となる患者も存在します。これらの患者は打ち切り(censoring)として扱われます。打ち切りを受けた患者は「打ち切り時点まではアウトカムが発生しなかったものの,打ち切り時点よりも後でアウトカムが発生する可能性がある」という重要な情報をもっているため,解析から除外してはなりません。 打ち切りには,ランダムな打ち切り(random censoring)とランダムでない打ち切り(non‒random censoring)があります。前者は情報のない打ち切(2)打ち切りの概念

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