00490T
11/16

2RCT論文の読み方2.RCT論文の読み方実践・臨床研究論文の読み方表4—2 ランダム化比較試験(RCT):5つのtooToo few:被験者数が少ないToo simple:併存症,併用療法がある患者は除外Too median-aged:高齢者,小児,妊産婦は除外Too narrow:薬物投与の方法を限定Too brief:追跡期間が短い用語集内的妥当性(→P.140)871.RCTとCONSORT声明 1 )RCTの利点と欠点 介入とアウトカムの因果関係を推定するには,“他のすべての条件が同じ(ceteris paribus)”に設定したうえで,介入がある集団とない集団のアウトカムを比較することが理想である。ランダム化(ran-domization)は,介入群と対照群の背景要因の違いをデザインの段階で制御するための最良の方法である。 RCTは最も内的妥当性(internal validity)が高く,ゴールド・スタンダード(gold standard)と呼ばれる。他の研究デザインは,RCTとの比較のうえでその妥当性が検証される。 一方でRCTにはいくつかの欠点もある。表4—2はRCTの欠点である「5つのtoo」を示す。観察研究に比べて,RCTは研究にかかるコストがケタ違いに高い。多くの被験者を集めることは往々にして困難である。そのためアウトカムは真のアウトカムではなく,発生割合が高く追跡期間も短くて済む代替アウトカムが用いられることが多い。Ⅳ

元のページ  ../index.html#11

このブックを見る