3.予測読みの極意医学英語論文の読み方スキルアップ51 3 )予測読みのレベル 予測読みには,文章単位の予測と,パラグラフ単位の予測がある。 文章単位の予測では,1文目を読んで2文目を予測する。2文目のテキスト処理に際しては,頭のなかで,予測された文と実際の文を照合する。予測しないで読む場合よりも,処理時間は短くなる。 パラグラフ単位の予測では,パラグラフを読んで,次のパラグラフを予測する。予測されたパラグラフと実際のパラグラフを照合することにより,同様に読む時間は短くなる。 論文のIntroduction,Methods,Results,Discussionという定型的な各パーツは,さらにいくつかのパラグラフで構成される。1つのパラグラフには1つのトピックが含まれることが原則である。そのたある。 しかし論文のなかには,著者の問いに対するヒントが文脈のなかに多く埋め込まれている。論文には,著者と読者が対話できるような仕掛けが満載である。最終的な答えを見る前に,答えを予測することができる。著者が出した最終的な答えに対して反論することもある。著者との対話こそが論文読解の醍醐味である。論文読解は,論文の著者との対話であるⅢ
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