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1.頭蓋骨

1.頭蓋骨

1)頭蓋骨正面像

■体 位

腹臥位または坐位(後前方向撮影)

前額部を受像面に付け,OM線と正中面は受像面に対して垂直にする。

児童や痩身体には胸の下にクッションを敷き上体を上げる。

正中面の垂直性は,左右の外耳孔と受像面との距離を同一にする。

受傷時や意識のない患者,小児には行わない。

背臥位または坐位(前後方向撮影)

後頭部を受像面に付け,OM線と矢状面を受像面に対して垂直にする。

肥満体や脊椎後弯の患者には,頭部の下に3から5cmの発泡スチロール板を敷く。

正中面の垂直性は,背臥位は左右の外耳孔と受像面との距離で,また坐位は前額面と受像面

との平行性で確認する。
小児や意識のない患者は背臥位で行う。

■中心線

後前方向撮影は,受像面に垂直な中心線を後頭部の外後頭隆起に,前後方向撮影では眉間に

入射する。

■X線像

上下は頭頂部から下顎オトガイ部まで,左右は側頭部までの頭蓋骨を描出する。

前頭稜と矢状縫合が矢状面上で一致し,錐体上縁は眼窩中央から上方に位置する。

頭蓋穹窿部は矢状縫合,冠状縫合(後→前方向のみ),ラムダ縫合,クモ膜顆粒小窩を描出

する。
眼窩部は錐体(内耳道,前庭,外側半規管),無名線,前頭蓋窩(前頭骨,小翼),中頭蓋窩

(蝶形骨大翼),篩骨洞眼窩壁,上顎洞眼窩壁を描出する。

両眼窩の上部および中間部,下部に副鼻腔(前頭洞,篩骨洞,上顎洞,鼻腔)を描出する。

顔面部に上顎骨,下顎骨,上位頸椎を描出する。