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放射線の単位
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基礎知識
放射性同位元素
Ⅰ
放射線の単位
1.電子ボルト
(eV)
放射線のエネルギーを表す単位としてeVが用いられる。電子が1ボ
ルトの電圧で加速されて得る運動エネルギーを1 eVとする。1 eVの10
3
倍をkeV(キロ電子ボルト),10
6
倍をMeV(メガ電子ボルト)という。
エネルギーの基本単位「ジュール」とは,下記である。
2.放射線量
放射線量の単位は,線源からの一定の位置におけるイオン強度(C/
kg,R),物質に与える吸収エネルギー(Gy,rad),生物に与える効果
(Sv,rem,線量当量)などで表される。照射線量は,γ線またはX線
が空気に当たる場合に限定して用いられ,ある場所のγ線またはX線に
よる照射の強さを空気の電離の程度で示される。
単位は空気1 kg中に1 Cのイオンを作るγ線またはX線の量で表す
(C/kg)。なお,1 Rは1 kgの空気について2.58×10
-4
Cの電気量の発生
に相当する。
3.吸収線量
物質の単位質量あたり,放射線から付与され,吸収されたエネルギー
を吸収線量という。単位にはグレイ(gray,Gy)が用いられるが,1 Gy
は物質1 kg中に1ジュールのエネルギーが吸収されたときの吸収線量で
ある。ラド(rad)も吸収線量の単位として用いられていたが現在はGy
を用いる。100 radは1 Gyにあたる。
=
1
Teff
+
1
Tp
1
Tb
Teff=
Tp×Tb
Tp+Tb
3
1 eV=1.60×10
-19
J