● 病巣部が皮膚表面に近い場合 ● 皮膚の摩擦が生じやすい場合(腋窩,会陰部,ボリュームのあ ● 1回線量・総線量(線量が多いほどリスクが高まる) ● エネルギーの低いX線や電子線を使用する場合 ● ボーラス・シェルを使用する場合 ● 併用薬剤を使用する場合:分子標的治療薬(セツキシマブ),アントラサイクリン系タキサン系化学療法薬は放射線性皮膚炎が増強する可能性がある ● 血糖コントロール不良の糖尿病 ● 活動性の強皮症,全身性エリテマトーデス ● 低アルブミン血症 ● 肥満:皮膚の接触による摩擦により皮膚炎悪化 ● 年齢:加齢による菲薄化,乾燥は皮膚炎を悪化させやすい ● 照射部の摩擦が大きくなる衣服を着用した場合 ● 洗浄剤・石鹸は泡立てて,泡で汚れを浮き上がらせる。 ● ゴシゴシこすらず,柔らかく泡を置くように洗浄する。 ● 石鹸成分が肌に残らないように十分に洗い流す。 ● 刺激の少ない石鹸(弱酸性)を選択する。 ● 洗いすぎないよう,石鹸での洗浄は1日1回程度とする。 ● 熱い湯の入浴・シャワーは避ける(勢いの強いシャワーも ● 頭部照射の場合,シャンプー時に頭皮を強くこすらないよう,泡立ててから使用する。また,ドライヤーの熱風を頭皮に直接当てない。 ● 締め付け過ぎず,緩すぎない衣服の着用。 ● 頸部への照射では,固い衣類(糊のきいたYシャツなど)が直接頸部に当たらないよう,スカーフなどの軟らかくつるっとした素材の布で保護する。 ● 頭頸部への照射では,ひげそりは剃刀を使用せず,電気シ ● 照射部位に湿布やテープを貼らない。 ● うっかり照射部をひっかいてしまうことがないよう,爪は ● アルコール成分が入っている化粧品は避ける。 ● 鉱物が入っているパウダーは散乱線の原因となるため,治 ● 温泉やプールは成分によって皮膚への刺激となるため,治 ● 照射野が直射日光に当たらないよう注意する。 ● 有害事象のリスク因子をアセスメントして,予測を立てて患者指導を行うことが必要である。 ● 放射線治療の多くは外来通院であるため,患者自身でケアできるよう指導する(セルフケア)。 ● 患者がセルフケアを行えない場合は,家族 ● 放射線性皮膚炎は照射方法によっては必発であるが,セルフケアを行うことで想定以上に悪化させないようにすることが可能である。 ● 皮膚ケアでは,清潔と外的刺激を回 ● 清潔行動や衣服の選択は,日常生活習慣と密着しているため,これまでの習慣を聞き,患者が実行できる対処法を指導する。 ● Grade 2以上では軟膏処置などが必要となるため,医師・看護師に情報提供が必要である。ただし,ビルドアップ材となるため,治療前には塗らないように指導する☞379頁。376放射線治療に関連する因子る乳房など)患者に関連する因子皮膚の清潔避ける)。照射皮膚の摩擦の回避ェーバーを使用する。短く切っておく。化学的刺激療前は使用しない。の回避療中は避ける。治療終了後の皮膚ケア ● 照射部位の乾燥を避けるために保湿する。などの協力者を探して指導する。避することが最も重要である。▲ 放射線性皮膚炎のケア▲ 放射線性皮膚炎に対する指導(悪化させない対処方法)
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