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  1 放射線治療計画とは ● 放射線治療計画とは,治療の標的となる体積とその周囲の正常組織の位置や形を決定し,標的に対して必要とされる線量を投与し,正常組織に対しては最低限の線量となるよう,治療におけるパラメータを決定する作業である。②治療計画の準備 治療計画用のCTを撮影する。治療中の患者の動きを抑制するため,治療部位に応じた様々な固定具を用いる。肺腫瘍のように固定を行っても動きが大きい標的に対しては,X線シミュレータやCTシミュレータを用いて臓器の動きを見積もる(internal marginの決定)。また,位置確認のためにマーキングを行う場合もある。③治療計画立案 治療計画装置(radiotherapy treatment planning system:RTPSもしくは,TPS)というコンピュータを用い,CT画像や他の診断画像(MR画像,PET画像等)を基に標的とリスク臓器を3次元のCT画像上で描き,定義する。その後,ビームの入射方向や照射野および投与線量を規定し,線量計算を行う。線量分布図や様々な線量評価指標[例:dose volume histogram(DVH,線量体積ヒストグラム)]を用いて,患者へ照射可能であるか評価する。 ● 具体的なパラメータは「治療ビームのエネルギー」「照射する方向」「照射野の形状」「線量分割」などが挙げられる。本章では,外部照射における放射線治療計画の役割と,具体的な内容について説明する。  2 外部照射における放射線治療の流れ▲ 外部照射における放射線治療の流れ128①治療方針の決定②治療計画の準備● シミュレータ撮影● 治療計画CT撮影● CT画像をRTPSへ転送③治療計画立案● 標的,リスク臓器の輪郭描出(contouring)● DVH評価● 線量・分割回数決定④立案計画の検証①治療方針の決定 各診療科と連携し,放射線治療の適応を決定する。髙田健太・黒河千恵・磯辺智範・只野喜一第 6 章放射線治療計画

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