④立案計画の検証 立案された治療計画の妥当性を検証する。カンファレスでの承認後,DRR(dig-itally reconstructed radiography)の作成や照射条件を確認する。必要に応じて,物理的線量検証を実施する。⑤照射 立案計画のパラメータを治療装置へ転送する。患者のセットアップは,位置照合装置(リニアックに搭載されたMV X線装置やコーンビームCT,X線透視装置,超音波装置等)を用いて治療計画CT撮像時と同じ位置となるよう確認,補正を行い,照射する。また,必要症例においては,照射野確認写真(linac graphy:LG)の撮像を行う。⑥治療終了,フォローアップ 症例に応じ,治療計画の変更がなされる。その後,規定回数を照射して治療終了となる。終了後は定期的なフォローアップが実施される。問題:なぜCT画像で治療計画を行うのでしょうか?回答:放射線治療計画システム内でCT画像を用いる理由は2つある。1つ目は病変やリスク臓器などの解剖学的な位置関係を正確に把握するためである。2つ目は,線量計算を行う際,CT値を参照するためである。X線治療レベルのエネルギー帯では,人体におけるおもな相互作用はコンプトン効果である。コンプトン効果は,物質の電子密度に依存することが知られている。そのため,電子密度の空間分布を知ることで正確な線量計算が実現できる。そこで,あらかじめ電子密度とCT値との関係性を専用のファントムで調べておき,その情報を放射線治療計画システム内に登録しておく。患者のCT画像は,(解剖学的構造を反映した)CT値の3次元分布である。そのCT値を電子密度に変換することで,線量計算に役立たせているのである。④立案計画の検証● カンファレンスでの承認● データベース登録● 物理的線量検証⑤照 射● セットアップ● 正確な位置照合● 計画変更時は②〜⑤を再度実施する⑥治療終了,フォローアップ129
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