アプリケータと組織内照射針との干渉があるため,特に狭腟の患者では刺入が困難となる場合がある。組織内照射針が腟壁を斜めに貫くことで,抜去後の腟出血に難渋することがあるため,アプリケータ挿入後は腟壁を十分進展させてから刺入するとよい。②経会陰的アプローチ 組織内照射針の到達できる範囲ならびに刺入が可能な範囲の自由度が高く,巨大腫瘍・複雑な形状の腫瘍でも対応が容易であることが利点であるが,刺入に際しては仙骨ブロックなどの高度な鎮痛を要すること,腫瘍に到達するまでの経路が長いことから,習熟者の指導のもと,行うべきである。刺入経路が長いことにより腟壁の損傷のリスクがある。組織内照射針の選択 組織内照射針の材質には,プラスチック製と金属製がある。それぞれ表2に示すような長所と短所があり,各施設の設備や手技の習熟度に合わせて選択する。いずれの針を使用する際でも,刺入前に目視により組織内照射針に損傷がないことを確認し,刺入の際は強度を保つため内套を適切に使用する。①プラスチック製 MRIベースの3D-IGBTを行う場合は主にプラスチック製を使用する。CTベースでもアーチファクトが少ないという利点がある。ディスポーザブルであるが,2021年7月現在では材料費の請求はできない。る短所・狭腟の患者では使いづらい・組織内照射針の到達できる範囲は限りがある・巨大腫瘍・複雑な形状の腫瘍では対応困難な場合もあ9494●図2 組織内照射針の刺入経路●表1 組織内照射針の刺入経路別にみた長所と短所長所通常の腔内照射の線量分布経腟的アプローチ・刺入経路が短く刺入が容易・高度な鎮痛が不要経会陰的アプローチ・組織内照射針の到達できる範・巨大腫瘍・複雑な形状の腫瘍頸部腫瘍子宮傍組織浸潤組織内照射針経腟的アプローチによる刺入囲が広いでも対応容易経会陰的アプローチによる刺入・刺入経路が長く刺入に技術を要する・腟壁損傷のリスク・高度な鎮痛(仙骨ブロックなど)が必要
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