で,直腸とS状結腸の線量制約はD2cm370〜75 Gy,膀胱80〜100 cGyとすることを推奨している1)。3)照射パラメータの設定と線量分布計算①線源停留位置 複数本のタンデム内の線源の停留位置は,原則としてタンデム先端(子宮底部)から外子宮口(X線ガーゼパッキングや金属クリッピング等で同定する)より足側3 cm8, 10)(〜5 cm10))程度までの範囲とする。腟は浸潤の程度により考慮するが,上1/3(〜3 cm8, 10))程度が照射されるようにする。②線源停留時間 複数本のタンデム線源の停留時間の配分は,子宮底部の線量分布が広がるように子宮底部にウエイトを置いた線源停留位置を決定する(図1,図2-b,図3,表3)1, 8, 10-12)。アプリケータ挿入位置は毎回異なるので,治療ごとにアプリケータ位置(座標)取得の画像を撮影するとともに線量分布計算はその都度行う。1回目の腔内照射の治療計画を2回目以降に流用してはならない。 定期的な子宮頸部〜体部,腟粘膜全体の視診,内診,細胞診が重要である。a.経過観察間隔 1〜2年目は1〜3カ月ごと,3年目は3〜6カ月ごと,4〜5年目は6カ月ごと,6年目以降は1年ごとが推奨されている。b.観察項目 ・問診,内診 (視・触診)・直腸診,リンパ節 (鎖骨上,鼠径)の触診:毎回の診察で行う。 ・ 子宮体部・子宮頸部〜腟細胞診:1年以内は1〜3カ月ごと,2年以内は3〜6カ月ごと,3〜5年目は6カ月ごと,その後は1年ごとに行う。 ・ 遠隔転移検索目的に最初の5年間は1年おきの胸部X線(CT)検査,6カ月おきの腹部〜骨盤CTが有用である。 ・血清腫瘍マーカー:CA125やCA19-9が有用な場合がある。c.有害反応 直腸,S状結腸,小腸,膀胱等について評価する。子宮体癌では子宮底部の線量分布が広がるため,S状結腸の評価に留意する。Grade3(CTCAE)の晩期有害反応17)の報告は5%以下である。d.治療成績 根治照射の5年生存率は,Ⅰ期:30〜100%,Ⅱ期:25〜100%,Ⅲ期:0〜37%と報告されている6, 9, 12-16)。(兼安祐子)4111111B.子宮体癌腔内照射経過観察・治療成績
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