07125T
9/14

●図2 CTを用いた治療計画および線量分布の例急峻な線量分布を形成し,心臓の大部分は50%線量曲線の外,脊髄は25%曲線の外に存在している。iso-dose lines;青色:375 cGy(125%),赤色:300 cGy(100%),水色:225 cGy(75%),黄色:150 Gy(50%),緑色:75 cGy(25%)源から10 mm処方で8 Gyを2回行う方法が外部照射30 Gy/10回に比較して,より有効であることがランダム化比較試験で証明されている6)。 通常の食道癌放射線治療時と同様である。症状や有害反応の程度に応じて適宜経過観察を行う。根治照射における局所評価としては3〜6カ月間隔の定期的な内視鏡検査を行う。また,リンパ節転移や遠隔転移については1〜2回/年のCTやPET検査を施行する。a.有害反応 急性期の食道炎は治療終了後2〜3週間を経過して軽快する。食道炎が長引く場合には刺激物の摂取を控え,逆流食道炎に対する日常生活の指導も重要である。腔内照射による晩期有害反応として食道潰瘍・線維性狭窄があり,安易な生検は難治性食道潰瘍の発症につながる。疼痛を有する食道潰瘍に対する生検は注意を要する。食道瘻孔は難治性となるため,線量分割や食道粘膜面の総線量評価が第一に重要である。また,ESDや食道ステント,レーザー凝固治療などを安易に併用しないような注意を消化器科と相談しておく必要がある。b.治療成績 T1症例に対しては70〜90%に局所制御が得られる。全生存率は2年で70〜90%,5年では40〜60%程度であり3, 4, 11),予後因子としては腫瘍深達度や腫瘍長径などが報告されている。近年,364人の長期成績が報告され,全体で5, 10年生存率が17.4%,9.0%,病期別では1期,2期,3期,4期,局所再発後救済治療の5年生存率が各々53.2%,21%,3.5%,1.9%,4.5%であった11)。局所再発率は57%,死因の78%が原病,17%が他病,4%が治療関連であった。(萬 篤憲)3173173a.水平断b.冠状断A.食道経過観察・治療成績

元のページ  ../index.html#9

このブックを見る