1頭頸部癌に対してハイパーサーミアは推奨されるか?■推奨文10頭頸部癌に対する放射線治療において,ハイパーサーミアを併用することで局所・領域制御率,生存率の向上が期待でき,考慮してもよい。[エビデンスの強さ:C(弱),弱く推奨]頭頸部癌に対する化学放射線療法にハイパーサーミアを併用することで,局所・領域制御率,生存率の改善が期待でき,考慮してもよい。[エビデンスの強さ:C(弱),弱く推奨] 解説 頭頸部癌に対する放射線治療は臓器温存のため薬物療法との併用により根治治療として行われる。根治切除不能な頭頸部扁平上皮癌に対する化学放射線療法(chemoradiotherapy:CRT)は放射線治療単独(radiotherapy:RT)より全生存期間で優れていることから標準治療として考慮されている1-3)。頭頸部癌に対するハイパーサーミアは局所・頸部リンパ節転移に対する治療として放射線治療,化学放射線療法との併用で用いられるが,口腔癌は原発巣の加温が困難であることから,頸部リンパ節転移に対する治療として行われることが多い。頭頸部癌に対する放射線治療(RT群)と放射線治療にハイパーサーミアの併用(HRT群)に関する研究がいくつか報告されているが(表1)4-9),その中には4つのランダム化比較試験が含まれる5-8)。Ⅲ〜Ⅳ期頭頸部癌に対するRT群とHRT群のランダム化比較試験では18カ月無病生存率がRT群8%,HRT群25%(p=0.03)である5)。IV期頭頸部癌に対し,RT群と頸部へのハイパーサーミアを施行したHRT群のランダム化比較試験では5年領域制御率がRT群24.2%,HRT群68.6%(p=0.015),5年全生存率がRT群0%,HRT群53.3%(p=0.02)である7)。Ⅱ〜Ⅳ期頭頸部癌に対するRT群とHRT群のランダム化比較試験では生存期間中央値がRT群145日,HRT群241日で,HRT群が有意に長期であった8)。頭頸部癌に対するRT群とHRT群に関するメタアナリシスでは腫瘍の完全消失がRT群では39.6%(31.3%-46.9%),HRT群では62.5%(33.9%-83.3%)〔オッズ比 2.92(95% CI:1.58-5.42,p=0.001)〕であった。また重度(Grade 3/4)急性・晩期有害事象に関してはRT群とHRT群は同様の発症割合であった10)。頭頸部癌に対するRT群とHRT群とのランダム化比較試験の報告の多くが1987〜1990年代前半に行われた小規模の試験であり,治療効果や有害事象の判定が現在の基準で行われていないことから,ハイパーサーミアの有効性について強いエビデンスが存在するとはいえない。頭頸部癌に対する化学放射線療法とハイパーサーミア併用の有効性についての報告は少ない。再発喉頭癌に対し化学放射線療法(CRT群:メトトレキサート90mg,プロピジウム1200mg,30Gy/3分割)と化学放射線療法にハイパーサーミアの併用(HCRT群)ではCRT群の一次治療効CQ
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