Bモードのみでは血管内の低輝度の隆起性病変を見落とす可能性があるので,カラードプラの併用が望ましい。2.術後,血管内治療のフォローアップ ● 脳梗塞の直接の原因となるのは有意狭窄がある場合が多く,狭窄の程度やプラークの種類により頸動脈内膜剥離術や血管内治療の適応を考慮する必要がある。血管造影検査血栓内膜剥離術前治療前(上)Bモード像(下)カラードプラ像血栓内膜剥離術後ステント挿入後492Part 2 超音波D 頸動脈症例1.頸動脈狭窄症(carotid stenosis) ● 手術適応にはNASCET法による狭窄率が用いられる場合が多いが,Bモードのみでは遠位の内頸動脈径が見えにくく,カラードプラを用いることが多い。しかし,bloomingにより過小評価されることに注意する。 ● 描出不良の場合,血流速度が200cm/sec以上あればNASCET法(491頁参照)で70%以上の狭窄があるという基準を用いて狭窄率の推測を行う方法を併用するとよい。 ● 頸動脈内膜剥離術や血管内治療後の再狭窄の有無を調べるのに頸動脈エコーは適している。 ● ステントは網状になっているため内腔も超音波で観察可能なことが多い。ステント内の内膜肥厚や変形を観察する。ステント遠位端に狭窄が生じることがあるので,遠位端が描出できない場合は低周波のセクタやコンベックスプローブで確認することが大切である。
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