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(b)10枚の写真をつなぎ合わせたパノラマ眼底写真(a)特定領域ごとの眼底写真2  眼底撮影の限界1. 中間透光体の混濁,散瞳不良の影響 ● 眼底カメラで撮影される画像は散瞳状態や中間透光体の混濁に左右される。よって,散瞳が悪い場合2. 撮影範囲 ● 本来,眼球は球面であり,腫れや窪みをきたす病変もある。眼底写真では,これらの凹凸もすべて二次元の平面像に変換されてしまうため,所見の把握には,頭の中で三次元の立体像に変換して凹凸を判断する必要があるが,立体写真は眼底の凹凸を客観的に判断できるため,情報量が多い。古くから視神経乳頭陥凹の解析に利用されている。 ● 現在市販されている眼底カメラの画角は50°前後(無散瞳眼カメラでは45°前後)が主流で,眼底の ● スクリーニングに用いられる無散瞳眼底カメラでは後極部のみを撮影することがほとんどで,写真に写っていない部位に病変が存在する可能性は否定できない。元来,無散瞳眼底カメラは,眼底周辺部の撮影を想定した設計をしていないことと,無散瞳下では1枚撮影するたびに縮瞳してしまうことから,時間を要するパノラマ撮影は,一般的なスクリーニングには適さない。 ●(a)では眼底の後極部には病変は写っていないが,眼底の周辺部には網膜裂孔と剥離病変が認めらや白内障があると,画質が極端に悪くなることがある。すべてを1枚の写真として記録することはできない。そのため,パノラマ眼底写真を撮影する。れる。このように1枚の写真で眼底のすべてを把握するには限界がある。525

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