07131T
13/14

❸標準的な治療成績393図1 左前腕軟部肉腫に対するSIB-IMRTの一例50歳代女性,左前腕軟部肉腫[未分化多型肉腫(undifferentiated pleomorphic sarcoma:UPS)]の術後再発に対し3つのPTVへのsimultaneous integrated boost intensity-modulated radiation therapy(SIB-IMRT)治療例。トモセラピーのdirect mode(少数多門強度変調)により,周囲体幹部への被ばくを避け,患肢の腫瘍反対側の皮膚・軟部組織,および骨の線量を軽減した。PTV1(紺太線CTV1+0.5cm D50 66Gy/33回/6.5週,PTV2(桃太線CTV2+0.5cm)D50 59.4Gy/33回/6.5週,PTV3(赤太線CTV辺縁不明瞭で整形外科医から希望予防領域)D50 52.8Gy/33回/6.5週。線量分布境界は細線で表す。筋肉腫などの小円形細胞腫瘍は感受性が高い。脂肪肉腫の感受性は,粘液型は高いが他は一般に低く21),高分化型は長期間再増大しない。線維肉腫は抵抗性である。・・緩和的治療では,寡分割照射も考慮し,20〜40Gy/5〜20回/1〜4週程度とする。 6 併用療法 6 ・・小円形細胞肉腫(横紋筋肉腫,ユーイング肉腫など),中・高悪性度の骨肉腫には薬物療法が併用される。・・そのほかの非小円形細胞型骨・軟部肉腫における薬物放射線療法の有効性は,これまでに明らかになってはいない。分子標的薬であるパゾパニブ22)などの薬物療法と,放射線治療との同時併用療法の有効性および安全性を検証する臨床試験が,現在複数進行中である。・・予後は,組織型や初診時の遠隔転移の有無に左右される。・・軟部肉腫に対し,ランダム化比較第Ⅲ相付試験を含む成績にて6-8, 23),5年局所制御率が術前照 Ⅵ.骨・軟部腫瘍

元のページ  ../index.html#13

このブックを見る