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❺IGRT実施上の注意点 1 施設・人的要件,ガイドラインなどの遵守 1 44図1 画像誘導放射線治療装置で保証すべき幾何学的精度の概念図レーザー照準点,位置照合系座標中心,照射系座標中心の三者の一致度の精度が保証すべき値(赤破線)内に収まっている必要がある。 総論照射系座標中心照合系座標中心レーザー照準点診療報酬上,IGRTが認められているのは,骨構造および腫瘍の位置情報による位置照合は4門以上の照射,運動照射または原体照射,もしくはIMRTと併用する場合,体表面の位置情報による位置照合は乳房照射の場合に限る。これらの照射法は根治的照射を目的としている場合がほとんどであり,SRTやIMRTなどの高精度放射線治療が該当する。診療報酬上の施設基準およびガイドラインなどを遵守し,IGRTの精度を維持していかなければならない。 2 PTVマージンの適切な設定 2 IGRTによる患者位置照合で得られたデータを集積し解析することで,施設で必要なPTVマージンを適切に評価することが可能である7, 8)。しかし,科学的根拠なくPTVを縮小することはCTVの線量不足をも誘発しかねないため,PTVマージンの縮小は慎重に行うべきである9)。 3 画像誘導による位置照合に伴う被ばく線量 3 IGRTは毎回の照射時に実施されるため,X線画像を使用したIGRTでは,従来の治療と比較して撮影頻度の増加に伴う被ばく線量の増加が懸念される。被ばく線量を低減するために,撮影範囲を必要範囲に制限したり,頭部レベルであれば水晶体から遠位の撮影方向・撮影軌道を用いるなどの工夫が必要である。画像誘導による位置照合での照射位置精度向上の有効性と,患者の被ばく線量の増加によるリスクのバランスを考慮し使用するなど,ALARA(as low as reasonably achievable)の原則に基づいた被ばく線量管理を行わなければならない10)。 4 IGRTの実施指針の策定と記録保存義務 4 IGRTの施行に際しては,機器の導入,品質保証/管理に必要な測定機器の整備,スタッフのトレーニングが必須であるが,診療報酬上の要件にもあるように,当該治療法に関する手法と機器の精度管理に関する指針が策定され,実施の制度管理が当該指針に従って実施されているという公開

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