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1)漿液性腫瘍 serous tumors卵巣腫瘍 ovarian tumorsⅡ変なく急速に発生する卵巣癌を Type Ⅱとする発癌モデルが提唱されている(表 1) 12)13)。粘液性癌の組織発生学的な由来は不明とされる 3)が,図 3 に示すように明細胞癌と類内膜癌は卵巣内膜症性嚢胞を発生母地とするものが多い。実際の摘出標本に内膜症病変が含まれていた場合,異型のない異所性内膜から悪性腫瘍への移行像がない限り,厳密には子宮内膜症由来の悪性腫瘍とは診断できない 14)ので,内膜症由来と病理組織学的に診断される卵巣癌は一部に限られるが,本群腫瘍の細胞型別頻度が諸外国と大きく異なる(図 1)理由として,本邦では子宮内膜症由来の明細胞癌が多いからと考えられている。すなわち世界平均では 61%の上皮性卵巣癌が漿液性癌であり,粘液性癌が 16%でこれに次ぎ,類内膜癌は 15%,明細胞癌に至っては 8%とされている 15)のに対し,図 1に示すように,本邦では漿液性癌の割合は 43%で,類内膜癌と明細胞癌が各々 20%前後を占める 4)。高異型度漿液性癌の 3/4 は,発見されたときには広範に腹腔内播種を伴う生物学的悪性度の高い腫瘍で,Ⅰ期症例においては低異型度漿液性癌,TP53 変異を伴う明細胞癌と並んで予後不良である 16)が,化学療法に対する反応は良好であり,Ⅲ期症例ではこれより化学療法に不応である粘液性癌と明細胞癌のほうが予後不良である 17)。したがって,特に NAC 症例の選択に際しては画像による組織型推定の意義は大きく,次項以降で順次言及する。Summary嚢胞腺腫の場合,多くは単房性か寡房性で,壁在結節は画像では捉えられないことが多い。&IB)pattern を呈する乳頭状構造が特徴的である。乳頭状構造が嚢胞壁から内腔に突出する嚢胞性腫瘍と卵巣表面から腹腔側に発育する表在性腫瘍がある。腹膜インプラントを伴うことがある。徐に進行するが,化学療法には抵抗性である。形態的には境界悪性腫瘍の特徴を残すことが多い。と考えられている。発症時にすでに広範な腹腔内播種を伴っていることが多く,しばしば卵管や腹膜原発のカウンターパートと鑑別困難(原発巣を決定しがたい)である。腫瘍マーカー CA125 が高率に上昇する。画像的に T2 強調像で高信号,拡散制限の強い,比較的小さな両側性充実性付属器腫瘤を呈することが多い。● 良性漿液性腫瘍には嚢胞腺腫,腺線維腫,表在性乳頭腫の 3 つの表現型がある。● 境 界 悪 性 腫 瘍 で は papillary architecture and internal branching (PA ● 低異型度漿液性癌では腺腫→境界悪性→浸潤癌への多段階発癌がみられる。緩● 高異型度漿液性癌は漿液性卵管上皮内癌が卵巣表面で増殖したものがほとんど430

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