Ⅰ 理論編

2

2

糖代謝の基礎知識

食事から糖質として摂取するブドウ糖

毎食75g程度,1日に糖質約200g摂取している.

肝臓からのブドウ糖

1時間に8〜10g,1日で約200g産生される.
1時間に体全体で8〜10gのブドウ糖が使われる.

脳のブドウ糖使用量

1時間で約5g,1日約120g(糖質約100g相当)使用する.

SGLT2阻害薬を服用すると

1時間で3gのブドウ糖が出てゆく(早朝でも).
食後は1時間で6gなどと,血糖が高いほど出る量も多い.

上記のように,具体的に脳は1日120gのブドウ糖を使う.また

肝臓は,1分あたり2.2mg

/

kg(体重)程度のブドウ糖を産生する.

例えば60kgの体重では,1日にすると190gとなり,約200g弱
を産生している.一方,食事でもその程度の糖質を摂取している.
実際には1食あたり75g程度である.OGTTは1食あたりの糖負
荷を想定している.

肝臓からの糖産生と経口糖摂取は,1日で考えるとほぼ同じ程度

である.インスリンがブドウ糖代謝に必要とすると,食事による追
加インスリン分泌補充量の1日合計量と,基礎分泌補充量はほぼ同
じになるのが基本となるのは当然といえよう.糖質摂取が多めで肥
満度は低い場合には,基礎分泌補充量が少なめになることもある.

糖質摂取による血糖上昇について,75gOGTTを60kgの体重

の患者に行うことを想定して話をする.ブドウ糖は体重の1

/

4のス

血糖値の体内での調節