10202T
14/17

オピオイドが原因で便秘のあるがん患者に対する,その他の便秘治療薬(ルビプロストンなど)の投与について,明確な推奨はできない。 奨Ⅲ 章 オピオイドが原因で,便秘のあるがん患者に対して,末梢性μオピオイド受容体拮抗薬*2の投与を条件付きで推奨する。(弱い推奨,中等度の根拠に基づく) 推 2有害作用に関する臨床疑問推 奨オピオイドが原因で,便秘のあるがん患者に対して,オピオイドの投与と同時に,または投与後に,下剤*1を定期投与することを推奨する。解 説 本臨床疑問に関する臨床研究としては,ランダム化比較試験が11件ある。オピオイド投与中の非がん患者を対象とした研究も,臨床疑問に対する非直接性は低いと判断し,対象研究として採用した。 二次解析の研究(ナルデメジン1件,ルビプロストン2件)は除外した。 すべて,痛みに対してオピオイドが投与され,便秘を伴う(オピオイド誘発性便秘,opioid‒induced constipation;OIC)がん患者(2件),がん患者以外(8件),患者背景が記載されていない(1件)が対象の研究であった。ナルデメジンが投与された研究では,すでに下剤が投与されていて緩和できないOICが対象であった。▋便秘の緩和 ナルデメジンが投与された研究(5件)では,すべて便秘症状が改善していた。ルビプロストンが投与された研究では(5件)プラセボと比較して,便秘症状が改善した(3件),センナと比較して,効果の差がなかった(1件)研究があった。ルビプロストンはメサドンを投与中の患者には,便秘症状の改善がなかった(2件)。▋QOL,有害作用 QOLを評価した研究(7件)では,ルビプロストン(4件)では,試験開始時のみ評価(1件),試験開始時と介入後の差はなかった(3件)(PAC‒SYM, PAC QOL, 1431C2B(強い推奨,弱い根拠に基づく)条 件複数の下剤が投与されていても緩和されないとき。2 有害作用に関する臨床疑問*1:下剤浸透圧性下剤,大腸刺激性下剤*2:末梢性μオピオイド受容体拮抗薬ナルデメジンCQオピオイドが原因で,便秘のあるがん患者に対して,下剤,その他の便秘治療薬の投与は推奨されるか?17

元のページ  ../index.html#14

このブックを見る