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2) Cryer B, Katz S, Vallejo R, et al. A randomized study of lubiprostone for opioid‒induced con- 3) Marciniak CM, Toledo S, Lee J, et al. Lubiprostone vs Senna in postoperative orthopedic sur-gery patients with opioid‒induced constipation: a double‒blind, active‒comparator trial. World J Gastroenterol 2014; 20: 16323‒33 4) Jamal MM, Adams AB, Jansen JP, et al. A randomized, placebo‒controlled trial of lubiprostone for opioid‒induced constipation in chronic noncancer pain. Am J Gastroenterol 2015; 110: 725‒32EQ‒5D)。ナルデメジン(4件)では,介入後のQOLの差はなかった。 有害作用が評価された研究(10件)では,ルビプロストンで,悪心,下痢,腹部症状がプラセボより多かった(3件)。ナルデメジン0.2 mgではプラセボと比較して,差がない(1件),0.4 mgの投与量で下痢が多い研究があった(1件)。▋バイアスリスク ランダム化の方法の記載なし(3件),割り付けの隠蔽(コンシールメント)の方法の記載なし(9件),参加者と医療者の盲検化なし(6件),アウトカム測定者の盲検化なし(6件),ITT解析非実施(4件),アウトカム不完全報告(脱落率5~20%:2件,20%>:2件)を認めた。その他のバイアスとして,すでに行われた複数の試験の結果を二次解析した研究(ルビプロストン,2件)を認めた。ルビプロストン(4件),ナルデメジン(5件)は,製薬会社の資金で研究が行われた。 これまでの研究では,OICに対して,ポリエチレングリコール,ナルデメジン,ルビプロストンは,便秘の緩和作用を認めた。有害作用は,ナルデメジン,ルビプロストンは,プラセボと比較して多かった。 OICに対しては,臨床現場では,浸透圧性下剤(酸化マグネシウム,ラクツロース),大腸刺激性下剤(センナ,ピコスルファート)が一般的に広く投与されている。また,OICに関する,海外のガイドラインでは,ほとんどの患者に効果があり,安全性が高く,コストが安いことから,下剤が第一選択薬で,末梢性μオピオイド受容体拮抗薬は,下剤を投与しても十分な効果が得られない難治性のOICの患者に投与するとされている(Crockett 2019, Müller‒Lissner 2017)。 委員会では,オピオイドの投与と同時に下剤を定期投与すること(いわゆる予防投与)は,実地臨床でよく行われており推奨すると結論した。 さらに,委員の臨床での実践,他のガイドラインの推奨,系統的レビューの結果より,OICに対しては,まず下剤を投与し,下剤を投与しても緩和されないとき,末梢性μオピオイド受容体拮抗薬を投与することとした(Candy 2018, Rossi 2019)。 その他の便秘治療薬(ルビプロストンなど)の投与は,すべての研究で対象患者が非がん患者であったこと,委員の臨床での実践でも使用経験が不十分で合意に至らなかったため,明確な推奨はできないと結論した。 オピオイドが原因で,便秘のあるがん患者に対して,オピオイドの投与後に下剤,末梢性μオピオイド受容体拮抗薬を,またオピオイドの投与と同時に下剤を定期投与することを推奨する。【引用文献】 1) Freedman MD, Schwartz HJ, Roby R, et al. Tolerance and efficacy of polyethylene glycol 3350/electrolyte solution versus lactulose in relieving opiate induced constipation: a double‒blinded placebo‒controlled trial. J Clin Pharmacol 1997; 37: 904‒7stipation in patients with chronic noncancer pain. Pain Med 2014; 15: 1825‒34**144Ⅲ章 推 奨

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