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Ⅱ 章背景知識Numerical Rating Scale(NRS)Visual Analogue Scale(VAS)10cmVerbal Rating Scale(VRS)Faces Pain Scale(FPS)0123456789全く痛みがない痛みなし少し痛いこれ以上の強い痛みは考えられない,または最悪の痛み痛いかなり痛い10耐えられないくらい痛い37〔Whaley L, et al. Nursing Care of Infants and Children, 3rd ed, St. Louis, Mosby, 1987〕2 痛みの包括的評価図1 痛みの強さの評価法態の把握が痛みの治療計画を立てるためにも重要であり,るい痩や衰弱の程度,筋萎縮,皮膚の状態などについても観察する。疼痛部位の視診では,褥瘡,帯状疱疹,蜂窩織炎,外傷など,がんに関連しない痛みの原因がみつかることがある。 神経障害性疼痛が疑われる場合は,病態を同定するうえで神経学的所見が特に重要である。障害が疑われる神経の支配領域に沿って,アロディニア(衣類の接触など通常では痛みを起こさない刺激によって引き起こされる痛み)や痛覚過敏(通常では痛みを感じるか感じないか程度の痛み刺激で,痛みを強く感じること),感覚鈍麻(通常では痛みが生じる刺激に対して痛みを感じない・感じにくいこと)などの感覚異常がないか確認する。また,障害が疑われる神経が支配する筋の筋力低下を徒手筋力テストなどで評価する。 骨転移を疑う場合には該当部位の圧痛や叩打痛の有無を評価する。内臓の関連痛の場合,異常のある臓器が侵害刺激を入力する脊髄レベルの皮膚の色調変化や立毛筋の収縮,発汗異常などを認めることがある。その他,内臓痛では腹部の圧痛の部位,炎症を示唆する腹膜刺激症状の有無,消化管の蠕動音の聴取が,病態の同定に

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