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第2章がん免疫療法4免疫チェックポイント阻害薬特有の副作用(免疫関連有害事象)・・・・ 頭痛(下垂体炎,下垂体機能低下症)めまい(投与時の急性反応)目の痛み,充血,視力低下,飛蚊症,光を過度にまぶしく感じる,涙が出る(ぶどう膜炎などの眼障害)視野が欠ける(下垂体炎)眼球の突出(甲状腺機能亢進症)甲状腺の腫れ(甲状腺機能亢進症)咳,息切れ,呼吸困難(間質性肺炎)動悸(甲状腺機能亢進症)食欲減退,吐き気・嘔吐腹痛,下痢,排便回数の増加,血便(大腸炎・消化管穿孔)手のふるえ(甲状腺機能亢進症)多くの症例でirAEは治療中に発症するが,少数例では治療終了後数週から数カ月後に発症することもある。ベースラインと各回投与前に血液検査(CBC,生化学,血糖値,甲状腺検査等),尿検査が推奨される。内分泌障害(甲状腺機能低下,副腎不全,下垂体炎,一型様糖尿病)は症状が,「倦怠感」,「頭痛(頭重感)」,「発熱(微熱)」など漠然としていることが多いため注意が必要! また,不可逆になりホルモン補充療法から離脱できないことが多い。4.免疫チェックポイント阻害薬特有の副作用(免疫関連有害事象)倦怠感,悪寒,発熱(間質性肺炎,肝障害,下垂体炎,下垂体機能低下症,甲状腺機能低下症,副腎機能不全,投与時の急性反応)汗をかく,体重減少,不眠(甲状腺機能亢進症)かゆみ(皮膚障害,肝障害)皮疹,白斑,紅斑(皮膚障害)むくみ(甲状腺機能低下症,腎障害)リンパ球や白血球の減少片側あるいは両側の脱力感,感覚異常,知覚障害,筋力の低下(末梢神経障害)自覚症状が乏しく,検査によってわかる副作用の例急に悪化することもあるので注意!下垂体不全副腎不全心筋炎膵炎1型糖尿病肝障害胆管炎腎障害127図2 irAEの症状図3 irAE対処法のまとめ多くの場合,副作用は軽微であるが,頻度は低いが重篤な副作用ものもあるので注意が必要!≧Grade 2のirAE出現: (例)メチルプレドニゾロン0.5〜1.0mg/kg/日)を行う。治療中止(延期)して,全身ステロイド投与を検討≧Grade3のirAE出現: 治療中止,ステロイド増量(1.0〜2.0mg/kg日)を行う。再燃を防ぐため,原則ステロイドのテーパリングは週単位で行い,ステロイド投与は4週間以上かけて行うことが推奨されている。(劇症1型)糖尿病の時は血糖コントロールを優先し,ステロイドは投与しないことが推奨されている。下垂体障害:機能回復を目的とした薬理量のステロイドの投与は推奨されない。(日本臨床腫瘍学会編.がん免疫療法ガイドライン第2版.金原出版.2019.を参考に作図)

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