Ⅱ章図2 気持ちのつらさの症状の例表1 気持ちのつらさの症状・状態・診断の例1気持ちのつらさの症状の概略 論2総 「気持ちのつらさ」は,つらい気持ちに伴う心身の状態を広く示す用語であり,感情(気持ち),認知(思考),行動,身体の各領域の症状を含む。図2に,気持ちのつらさの症状の例を示した。 気持ちのつらさを評価する際には,①症状,②状態像,③精神医学的診断,の3つのレベルで理解するとわかりやすい。表1に例を示す。 「気持ちのつらさ」にはさまざまな症状が含まれるが,「抑うつ」と「不安」に大別できる。また,がん罹患者に特有の現象として,「がん再発恐怖」がある。これらの不快な心理反応を包括して,「全般的心理的苦痛(または,全般的な気持ちのつらさ)」(general psychological distress)と呼ぶことがある。食欲不振,胃腸不調,(身体疾患における例)発熱・咳嗽例1例2例3感情(気分)の症状不安,心配,落ち込み,イライラ,焦り,怒り身体の症状不眠,頭痛,動悸,息苦しさ,下痢・便秘肩こり,腰痛怒りっぽさ,ひきこもり,症状心配,そわそわ不安,落ち込み,不眠落ち込み,食思不振,不眠,集中力低下,希死念慮決断困難精神医学的診断細菌性肺炎該当なし(正常範囲の不安)適応障害うつ病(大うつ病性障害)(藤澤大介)1.気持ちのつらさの症状の概略 15認知(思考)の症状くよくよ,マイナス思考,思考力・集中力の低下行動の症状動作緩慢,投げやり大酒・喫煙状態像気道感染不安状態不安・抑うつ状態抑うつ状態気持ちのつらさの症状
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