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われ,標準化学療法+ニボルマブ併用群の結果が報告された。主要評価項目であるPD‒L1 CPS≧5の症例におけるOSおよびPFSは,どちらもニボルマブ併用群で有意な延長が認められた(OS中央値:14.4カ月vs. 11.1カ月,HR:0.71,98.4%CI:0.59‒0.86,p<0.0001,PFS中央値:7.7カ月vs. 6.0カ月,HR:0.68,98%CI:0.56‒0.81,p<0.0001)。全体集団においても,ニボルマブ併用群で有意なOS,PFSの延長が認められた(OS中央値:13.8カ月vs. 11.3カ月,HR:0.80,99.3%CI:0.68‒0.94,p=0.0002,PFS中央値:7.7カ月vs. 6.9カ月,HR:0.77,95%CI:0.68‒0.87)。一方,PD‒L1 CPS<5症例に対するOSおよびPFSのHRは,それぞれ0.94(95%CI:0.78‒1.13),0.93(95%CI:0.76‒1.12)であった1)。・HER2陰性切除不能進行・再発胃癌・食道胃接合部癌(腺癌)を対象に,標準化学療法(SOX療法またはCapeOX療法)に対するニボルマブの上乗せ効果を検証する比較第Ⅲ相試験(ATTRACTION‒4試験)が行われた。主要評価項目であるPFSは,ニボルマブ併用群で有意な延長を認めた(中央値:10.45カ月vs. 8.34カ月,HR:0.68,98.51%CI:0.51‒0.90,p=0.0007)。一方,もう一つの主要評価項目であるOSは,ニボルマブ併用群で統計学的に有意な差を証明することはできなかった(中央値:17.45カ月vs. 17.15カ月,HR:0.90,95%CI:0.75‒1.08,p=0.26)2)。・ HER2陰性PD‒L1 CPS≧1の切除不能進行・再発胃癌または食道胃接合部癌症例を対象に,標準化学療法(FP療法またはXP療法)に対するペムブロリズマブ併用療法の優越性並びにペムブロリズマブ単独療法の優越性と非劣性を検証する第Ⅲ相試験(KEYNOTE‒062試験)が行われた。主要評価項目はPD‒L1 CPS≧1およびCPS≧10の患者集団におけるOSならびにPD‒L1 CPS≧1におけるPFSであった。PD‒L1 CPS≧1の症例において,ペムブロリズマブ併用群の化学療法に対するOSの優越性は証明されなかった(中央値:12.5カ月vs. 11.1カ月,HR:0.85,95%CI:0.70‒1.03,p=0.05)。ペムブロリズマブ単独群は,化学療法群に対してOSは非劣性であったが,優越性は証明されなかった(中央値:10.6カ月vs. 11.1カ月,HR:0.91,95%CI:0.74‒1.10)。また,PFSに関してもペムブロリズマブ併用群(HR:0.84,95%CI:0.70‒1.02,p=0.04),ペムブロリズマブ単独群(HR:1.66,95%CI:1.37‒2.01)と,どちらも優越性を証明することはできなかった。PD‒L1 CPS≧10の症例において,ペムブロリズマブ併用群の化学療法群に対するOSの優越性は証明されなかった(中央値:12.3カ月vs. 10.8カ月,HR:0.85,95%CI:0.62‒1.17,p=0.16)。一方,ペムブロリズマブ単独群はOSにおいて良好な傾向がみられた(中央値:17.4カ月vs. 10.8カ月,HR:0.69,95%CI:0.49‒0.97)3)。・ HER2陰性切除不能局所進行・転移性胃癌および食道胃接合部癌で,12週間の標準治療(FOLFOX療法またはCapeOX療法)後に増悪しなかった症例を対象に,アベルマブによる維持療法のBSCに対する優越性を検証する第Ⅲ相試験(JAVELIN Gastric 100試験)が行われた。主要評価項目はランダム化された全症例およびPD‒L1陽性(PD‒L1 TPS>1%)におけるOSであった。全症例集団において,アベルマブ群の化学療法群に対するOSの優越性は証明されなかった(中央値:10.4カ月vs. 10.9カ月,HR:0.91,95%CI:0.74‒1.11,p=0.1779)。PD‒L1陽性集団においても,アベルマブ群のOSの優越性は証明されなかった(中央値:16.2カ月vs. 17.7カ月,HR:1.13,95%CI:0.57‒2.23,p=0.6352)4)。・ フッ化ピリミジン+プラチナによる一次化学療法の治療効果(CR,PR,SD)を認めた切除不能局所進行・転移性胃癌および食道胃接合部癌を対象に,イピリムマブとBSC(フッ化ピリミⅢ.がん免疫療法のがん種別エビデンス122

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