がん免疫療法のがん種別エビデンス3胃癌123進行期・二次治療(免疫チェックポイント阻害薬未投与例)Ⓑフッ化ピリミジン+プラチナ(HER2陽性の場合トラスツズマブも)に対し不応となったPD‒L1陽性(CPS≧1)の切除不能進行・再発胃癌および食道胃接合部癌を対象として,ペムブロリズマブのパクリタキセルに対する優越性を検証する比較第Ⅲ相試験(KEYNOTE‒061試験)が行われた。主要評価項目であるOS,PFSにおいて,ペムブロリズマブ群はパクリタキセル群と比較し優越性は証明されなかった(OS中央値:9.1カ月vs. 8.3カ月,HR:0.82,95%CI:0.66‒1.03,p=0.0421)(PFS中央値:1.5カ月vs. 4.1カ月,HR:1.27,95%CI:1.03‒1.57)。なお,MSI‒H症例を対象としたサブセット解析では,ペムブロリズマブ群でOSの著明な延長を認めた(中央値:未到達vs. 8.1カ月,HR:0.42,95%CI:0.13‒1.31)6,7)。進行期・三次治療(免疫チェックポイント阻害薬未投与例)Ⓒ2レジメン以上の標準化学療法に不耐ないし不応の切除不能進行・再発の胃癌ないしは食道胃接合部癌を対象に,プラセボに対するニボルマブの優越性を検証した比較第Ⅲ相試験(ATTRACTION‒2試験)が行われた。主要評価項目であるOSは,ニボルマブ群で有意な延長が認められた(中央値:5.26カ月vs. 4.14カ月,HR:0.63,95%CI:0.51‒0.78,p<0.0001)8)。・切除不能進行・再発胃癌ないし食道胃接合部癌を対象に,三次治療として化学療法(パクリタキセルまたはイリノテカン)に対するアベルマブの優越性を検証する第Ⅲ相試験(JAVELIN Gastric 300試験)が行われた。主要評価項目であるOSにおいて,化学療法群に対するアベルマブ群の優越性は証明されなかった(中央値:4.6カ月vs. 5.0カ月,HR:1.1,95%CI:0.9‒1.4;p=0.81)9)。ジンの継続を含む)を比較したランダム化第Ⅱ相試験では,主要評価項目である免疫関連PFS(irPFS)は,イピリムマブ群で有意な延長は認められなかった(中央値:2.92カ月vs. 4.90カ月,HR:1.44,80%CI:1.09‒1.91,p=0.097)5)。・根治切除術を施行された術後Ⅱ/Ⅲ期胃癌症例を対象に,術後補助化学療法して化学療法(5‒FU+ドキソルビシン)に対するpolyadenylic‒polyuridylic acid(poly A:U)の上乗せ効果を検証した第Ⅲ相試験が行われた。併用療法群は,化学療法単独群と比較しOS(HR:0.67,p=0.013)およびRFS(HR:0.61,p=0.005)の有意な延長を示した10)。・ D2郭清を伴う胃切除後(R0またはR1)のTNM分類第5版に基づく術後Ⅲ/Ⅳ期症例を対象に,手術単独に対するFAM(5‒FU,ドキソルビシン,マイトマイシンC)療法およびBCG(bacille Calmette‒Guérin)とFAMの併用療法の3群の比較試験が行われた。手術単独群・化学療法群と比較して,BCG併用群において10年OS率の有意な改善が認められた(10年OS率:BCG併用群47.1% vs. 化学療法群30%,p<0.037,BCG併用群vs. 手術単独群15.2%,p<0.0006)11)。◉エビデンスの解説(2)その他の免疫療法Ⅲ
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