・ 内服が不可能な場合はハロペリドール注を用いることもあるが,翌日への持ち越し・ せん妄の症状に日内変動がある場合などは,間欠的鎮静を行う。 5~10 mL/時で持続点滴を開始し,1時間量の早送りなどで調整 *覚醒を目指す時間の2時間前に投与を終了する *呼吸抑制に十分注意すること * 投与前に救急処置〔アンビューバッグやフルマゼニル注(ベンゾジアゼピン受容体・ 実施可能な非薬物療法・薬物療法を行っているにもかかわらずせん妄の症状が一日〓〓文 献 1) 松田能宣,森田達也,大屋清文,他.内服可能な終末期がん患者の過活動型せん妄に対する薬物3) 可逆性かつ低活動型せん妄・ 一般的に,低活動型せん妄では薬物療法の有効性が低いとされている。そこで,低活動型せん妄という診断に至ったからという理由のみで,必ずしも薬物療法を行わなくてもよい。らかにしたうえで,その症状に合わせた薬物療法を行う。によって日中の傾眠がさらに強くなる可能性があり,積極的な使用は避ける。4) 不可逆性せん妄・ 不可逆性せん妄では,予測生命予後なども勘案しながら,可能な限り前述のような薬物療法を行ったうえで,鎮静の必要性を検討する。中顕著な場合で,予測される予後が短い場合には,持続的鎮静も適応となる4)。〈処方例〉 ハロペリドール注5 mg 1 A+ミダゾラム注10 mg 1 A+生食100 mL(ハロペリドール拮抗薬)〕の準備をしておくこと * 投与中はパルスオキシメーターや血圧計などで呼吸・循環動態を継続的にモニタリングすること → なお,ミダゾラム注の点滴を含む点滴については,病院・施設によって希釈方法や表記などに差があると考えられるため,それぞれの所属施設の規定に基づき十分注意すること(井上真一郎,谷向 仁)治療の実態: 緩和医療に関わる医師アンケート調査.第26回日本緩和医療学会学術大会,2020134 ・ 患者が苦痛を感じている場合は,改善を目指したいせん妄の症状(標的症状)を明・ 例えば,幻覚・妄想によって患者が苦痛を感じていると判断される場合は,抗精神病薬の使用を検討する。夜間の不眠や睡眠覚醒リズム障害が問題となっている場合は,半減期の短いトラゾドンを用いることがある。0.05 mg/mL,ミダゾラム0.1 mg/mL)
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