122管主体の病変。・病変の状況:右壁中心3/4周性の病変。錯角化を伴うが確認できる範囲ではB1血・切除の実際:右壁側の粘膜下層を残して両側フラップを形成するように病変を吊り下げる方針。トリミングはスコープの回転で粘膜下層をscoopingしながら実施した。剥離操作もスコープの回転を用いるのが基本であるが,後壁側の剥離はsweep操作を要するため手技的には窮屈。筋層が縦方向となるように構え,アングル操作で剥離すると難易度が下がる。その際,ナイフを少し口側に引き上げながら剥離すると剥離深度を維持しやすく,安全性も高まる。水没の対側まで後壁側を剥離した段階で前壁側の処理に移った。残りの粘膜切開を終え,同部のトリミング,フラップ形成を行うと両側フラップが完成し,病変は重力の対側に吊り下げられた。左右のスペースをつなぐように剥離していくと,病変はどんどん重力側に落ちていき効率的に剥離を終えることが可能であった。・本例の考察:CFMは手順を立案することで,重力と粘膜の張力をうまく利用する方法である。片側フラップとするか両側フラップとするかは病変の大きさ・水没領域との兼ね合いで決まる。水没領域の対側に縦長の粘膜下層を残して病変が垂れ下がるように計画することが基本であり,どのようなフラップが形成されるかはその結果といえる。L. 切除後の状態。M. 切除標本。68×45 mm。N. マッピング像。病理組織診断:51×33 mm,Mt,0-Ⅱc+Ⅱb,mod,pT1a-LPM,Ly0,V0,pHM0,pVM0,pR0。LMN→LPM症例 2-1-1-2)中部食道0-Ⅱb+Ⅱa / CFM・両側フラップ
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