a .⊠:H. pylori感染陰性者は陽性者に比較して胃酸分泌能が高く,びらん性 b .⊠:GERDは,酸分泌抑制効果の高いPPIおよびPCAB投与により高い治癒率が得られる一方,薬物中止後は75%で再発することが本疾患の特徴である. d .⊠:非びらん性GERDにおいて体重増加・肥満とともに,甘いもの,香辛 e .○:逆流性食道炎,Barrett食道のいずれも内視鏡的には食道下端部の右前(0~2時方向)に出現する頻度が高い.横隔膜脚により最も強く圧迫されるのが9~10時方向であり,機械的圧力が最もかかりにくい部分に相当する.食道接合部の粘膜病変の発生にこの機械的圧力の不均等が関与していると考えられている.18 解答・解説 胃食道逆流症(GERD)は,胃内容物が食道内に逆流し長時間停滞することにともなって不快な症状や食道潰瘍などの合併症を発症する病態である.GERDについて多くの研究が行われ,その病態が明らかになりつつある. c .⊠:『胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン2015』には,食道粘膜障害の内視鏡的重症度と自覚症状が必ずしも相関しないことがエビデンスレベルCで明記されている. 好酸球性食道炎は,慢性的なアレルギー反応が食道粘膜で持続し食道壁に好酸球浸潤をきたす疾患である.近年本邦で増加傾向にあり注目されている.好酸球性食道炎患者の半数は気管支喘息,アレルギー性鼻炎,食物アレルギーなどのアレルギー疾患を有している.男性が70~80%を占めており,発症年齢は30~50歳の比較的若い年代に発症しやすい.本疾患の診断には食道粘膜の複数個所から生検を行い,15個╱HPF以上の好酸球浸潤を確認する必要がある.好酸球性食道炎に特徴的な内視鏡像としては,食道長軸方向に認める縦走溝,食道横軸方向の同心円状に認める輪状溝,白色滲出物,血管透見が低下した粘膜浮腫,食道狭窄などが挙げられるが,その中でも縦走溝が最も信頼性の高い内視鏡所見であると考えられている.治療の第一選択はプロトンポンプ阻害薬(PPI)の投薬であり,標準用量以上のPPIを8週間以上投薬すると,好酸球性食道炎患者の50%以上で症状や組織学的改善が得られる.PPI治療抵抗例に対しては副作用の少ないフルチカゾンやブデソニドなどのステロイド局所治療(嚥下療法)を行う.また近年カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(PCAB)の有効性も報告されている.これらの治療が無効である患者に対しては除去食を用いた食事療法や糖質ステロイドの全身投与などが行われる. 以上より,正解はbとなる.GERDの関連因子である.料,高脂肪食が関連因子とされており,高塩分食ではない.問題8 解説問題9 解説解答【問題8】e 【問題9】b
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