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b .○:食道の遠位3分の2,とくに下部食道に優位に認められ,胃粘膜との c .⊠:AEMLは合併症を25~40%で認めたと報告されている.Gurvitsらは黒色食道のみの検討で食道狭窄が最も多く10.2%に認めたとし,ほかに食道穿孔が6.8%,縦隔膿瘍が5.7%にみられたと報告している. e .○:食道の遠位は大動脈からの直接分岐の血管で栄養されており,近位と比較して血流が少ないため虚血に陥りやすいと考えられ,これが病因の一つと考えられている.20  解答・解説 急性発症の上部消化管出血の症例にびらん性食道炎を認めることがあり,食道粘膜の潰瘍化が著明で黒色を呈する場合には黒色食道や急性壊死性食道炎と診断される.一方,非黒色であった場合には重症の逆流性食道炎と診断されることが多いが,実際には逆流性食道炎とは異なる臨床像を呈するものがある.黒色食道(急性壊死性食道炎)と非黒色食道(急性びらん性食道炎)を包括した疾患概念として急性食道粘膜病変(acute esophageal mucosal lesion:AEML)が提唱されている.AEMLは急性発症し内視鏡的にびらん性変化を認め,腐食性食道炎や放射線性食道炎,感染性食道炎,慢性逆流性食道炎の急性増悪を除外したものである.本症例はアルコール多飲を背景に発症したAEMLの症例である. a .○:AEMLは基礎疾患として,糖尿病やケトアシドーシス,アルコール多 d .○:穿孔や縦隔炎などの重篤な合併症を生じなければ,大部分の症例が保飲,腎不全,悪性腫瘍を合併していたとする報告が多い.境界が明瞭であるとされる.存的治療で急速に改善する.問題10解説解答【問題10】c

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