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Ⅲ 章推 奨図5 安静時低酸素血症あり,運動耐容能(6分間歩行距離)図6 安静時低酸素血症あり,運動耐容能(6分間歩行距離,介入前後の変化)素と空気との間に有意差を認めなかった。 以上より,これまでの研究では,安静時低酸素血症を有する進行性疾患患者において,酸素吸入が空気吸入と比較して呼吸困難を緩和するという明確なエビデンスは示されなかった。しかしながら,有意差は示せていないものの呼吸困難はいずれも酸素吸入のほうが良好な傾向があること,今回のレビューでは症状緩和に焦点を絞り,生命予後はアウトカムに設定していないが,酸素吸入は低酸素血症自体の治療として確立していること,酸素療法による重大な有害事象も示されていないことをあわせて考慮すると,低酸素血症を伴う呼吸困難に対して酸素療法を行うことの▋アウトカム2:運動耐容能の向上 運動耐容能の向上を検証した研究は2件が同定された。 Jaroschら(2017)4)の試験では,6分間歩行距離は酸素吸入で空気吸入と比較して有意に改善した(平均差37 m,95%CI 23■51,p<0.001)(図5)。 Lacasseら(2005)5)の試験では,酸素濃縮器に加えて携帯ボンベによる酸素吸入を行っても6分間歩行試験で評価する運動耐容能は改善しなかった(3群の比較でp=0.72)(図6)。▋アウトカム3:QOLの向上 QOLの向上に関する研究は1件が同定された。 Lacasseら(2005)5)の試験では,酸素濃縮器に加えて携帯ボンベによる酸素吸入を行ってもCRQにより評価したQOLは改善しなかった(CRQの4項目はいずれも有意差なし,CRQ totalの提示なし)。▋アウトカム4:意識障害・傾眠 このアウトカムに関する研究は同定できなかった。▋アウトカム5:不快感 このアウトカムに関する研究は同定できなかった。**991 進行性疾患患者の呼吸困難に対する非薬物療法

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