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Ⅱ 章要点8要点9要点10要点11要点12要点13要点14要点159 注3) 要点1の注と同じ。 注4) 死期が切迫しているとは,日の単位(7日以内)を指す。患者が利用できる緩和ケア注3)を十分に行っても緩和することができない場合(治療抵抗性の苦痛に対して),患者の希望をもとに,苦痛緩和のために状況に見合っ [⇒P88, 114]た鎮静薬を投与することは,妥当な医療である。 持続的鎮静の対象となる主な苦痛は,せん妄,呼吸困難,痛みである。 持続的な鎮静薬の投与が妥当な医療であるためには,①鎮静が相対的に最善と判断される(相応性),②意図が苦痛緩和である,③患者の意思/推定意思がある, [⇒P86, 114]④医療チーム内の合意がある,の4要件を満たす必要がある。 死期が切迫している注4)患者の治療抵抗性の耐えがたい身体的苦痛に対して,患者の希望に応じて適切な方法で持続的に鎮静薬を投与することは,たとえ鎮静により患者の生命予後が短縮した場合においても,正当な医療行為であり倫理的・法的 [⇒P88, 114, 122, 127]にも許容される。 持続的鎮静が相応的に妥当であるかは,①苦痛の強さ(耐えがたい著しい苦痛であるか),②治療抵抗性の確実さ(鎮静以外の手段では緩和される見込みがないか), [⇒P88, 114]③予測される生命予後(死期が切迫しているか)から判断する。 患者の生命予後が明確ではない場合,臨床的な予測に加えて,評価尺度を用いた生命予後の予測を用いる,複数の医療者で評価するなど,より信頼性・客観性が高 [⇒P89, 104]くなる方法をとる。 苦痛が緩和できる最小量の鎮静薬を投与し,患者の意識への影響がなるべく少ないようにする。すなわち,調節型鎮静を原則として優先し,持続的深い鎮静は,調節型鎮静では緩和することができないと見込まれる場合に検討する。 身体的苦痛がなく,精神的苦痛・スピリチュアルペインのみの場合には,原則として持続的鎮静の対象とならない。 [⇒P90, 125] [⇒P89, 143] [⇒P88, 106]3持続的な鎮静薬の投与を行う要件と適用4持続的鎮静の相応性

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