7キャラクターと作品世界とそれを診断する視座Chapter 1物の診断だったら、その時代の常識や風習を考えることが必要になりますね。精神科診断は環境との相関が大事なんです。キャラクターは作品世界に生きていて、その世界の設定に対してどういう態度をとっているかをみないといけません。つまりこの世界から診断するんじゃなくて、作品世界に立って診断を考えないといけないんです。実際の患者は現実世界に生きていて、この現実世界の常識に対してどういう態度をとっているか、それが重要ですね。じゃあ、患者を取り巻く状況がわからないと診断はできないってことですね。もちろん推論の仕方が明らかに異常なので妄想とわかるという場合もありますよ。逆に本当に宇宙人に出会った人はおそらく筋の通った話をするので、これは妄想ではないんじゃないかと思えてくるんじゃないでしょうか。実は私、宇宙人の友人が……。馬鹿言わないでください
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