9キャラクターと作品世界とそれを診断する視座Chapter 1 サラ・コナーの統合失調症という作中の診断が果たして正しいのかを考察してみる。まず、ターミネーターが自分を殺しにきた、機械が人類を滅ぼすという発言は紛れもない妄想気分だといってよい。世界没落体験が顕著にみられている。警察官との話し合いのシーンではずっとうつむいたままで、何を言われても表情を変えず、感情や疎通性に欠けているという描写も統合失調症の自閉的な側面に合致する。 次に凶暴性について。担当医シルバーマンの発言では会話中にペンで膝を刺されたことがあるという。またサラ・コナーが病室で懸垂をしてトレーニングをするシーンがあるが、これは精神病院を脱走し、脱走した先で息子をターミネーターから守るという目的で鍛えているものと思われる。体を鍛えることが凶暴だということはできないが、これらから確かに凶暴な側面がみられる。しかしこれが統合失調症の症状だというのは難しい。 こう考えると統合失調症の診断を下すまでの根拠があるのかには怪しい面がある。しかし統合失調症と診断されている前提でサラ・コナーを見てみるとその症状とも思える側面はある。 作品の設定が事実だとすると、ターミネーターが自分を殺しにきた、機械が人類を滅ぼすという発言は了解可能です。したがって、正常ということになります。ただし、衝動性が強くエネルギッシュということで躁病、双極性障害の診断は当てはまる可能性はありますが。 患者が確信に満ち、鬼気迫る勢いで事実を何とか周囲に伝えようと頑張っ教員のコメント精神疾患には該当しないでしょうね考 察「統合失調症」と考えます
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