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敗血症・敗血症において最も重要なコンセプトは以下であるCh.201127血圧=ショック」「CRP高値=重症」などである・本書も例にもれず敗血症の定義,つまり敗血症とは何か? 論からはじめざるを得ないが……膨大過ぎて簡単にはまとめられなかったので,詳細はref1を参照してほしい・しかし最終的にはあえて,そこから距離を置きたいと考えている。敗血症の定義はきっとまた変わる(その方が健全だし,このような雑多な症候群の定義はそうあるべき)。敗血症の定義が変わるたびに振り回されないように,少し冷静に向き合い,実践的な敗血症診療を最終目標として議論を進めたい・その道具(ツール)は成人用,小児用と分けられている。成人用は2016に新型が導入され(Sepsis-3),いまその使い心地を検討しているところ。小児用はそれを傍目に見つつ,より使いやすい道具を開発中というのが現状である・道具が作られた起源や,歴史は知らなくてもぶっちゃけ使い方さえ知っておけばよい(ハサミの歴史とか知らないでしょ?)・そのため,Sepsis-3に倣った小児のSOFA(年齢調整SOFA,pSOFA)や類似のPELOD-2,それらのquick版であるqPELOD-2などによって,小児の重症患者のコホートで敗血症の死亡を洗い出せるか検討中である・このような宙ぶらりんな状況ではあるが,現場で敗血症に対してどうふるまうべきか? を考えよう敗血症とは 1.迅速に(特に死亡率の高そうな)敗血症患者を洗い出し 2. 間違いが少ないようある程度の『型』にはめた治療を開始するためにある『ツール』である。小児の敗血症の今・成人用の2016年Sepsis-3には小児の言及はないため,小児では2005年のGoldsteinの定義を使用している。しかし重症敗血症の定義と臨床診断の間に大きな隔たりがあり,現場では定義に即さない重症敗血症の臨床診断が30%以上存在する

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