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脱水を探せ!35 なぜ顔色が重要なのか。理由は,顔色の悪さ=循環の悪さを反映しているからである。皮膚は顔色を含め,循環血液量を反映している。皮膚の血流は代償機構がないため,体の血液量が減少するとそれに伴い,すぐに循環血液量が減少する。循環血液量が減少することで,顔面が蒼白もしくは土気色に変化する。また顔色の悪さは交感神経の影響も受ける。嘔吐後などは内因性のカテコラミンの影響で交感神経が優位となり,血管が収縮した様子を反映していることもある。顔色の悪さは子どもが「緊急」な状態に陥っている可能性があるため,迅速に評価を進める。・・まずはどんなときも落ちついて最初は子どもを5秒間,無心で見つめてみる(子どもを見る時間の長さは2-3秒と推奨している文献もあるが,本書の対象者が初学者であることを考慮して5秒間と設定した2))。ゼがある,の項目に注目して,まずは子どもを「緊急」/「非緊急」のいずれかに分類する。見を認めたら「緊急」な状態である。迅速に評価を進める。顔色について考える「色」を見る・・子どもを見るときは,顔色や皮膚色も重要なポイントになる。・・顔色不良や顔面蒼白,網状チアノーゼは循環不全のサインであり,この所自分自身の直感を信じる・・子どもをみるときは,上記のポイントに加えて「直感」を特に大事にしてほしい。医師が直感的に感じる「何かが変だ」という感覚は“gut feeling”といわれ,重症細菌感染症の診断に有用という報告がある3)。1

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