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3章DOHaDのメカニズムが判明した。具体的には,喫煙が喫煙者本人だけでなく胎児のエピジェネティック変化を誘導し,例えば血球細胞膜遺伝子(MYO1G)の化学修飾変化が将来の気管支喘息発症に関連しうることが報告された(図2)8, 9)。また妊娠早期に喫煙をやめればこの変化を生じさせないことが報告され,胎児期のエピジェネティック変化には可逆性があることが示唆された9)。図1 妊娠中のダイエットによる胎児のエピジェネティクス異常と成人病の発生機序図2 妊娠中の喫煙による胎児のエピジェネティクス異常と成人病の発生機序十分な栄養摂取正常なメチル化(適切な遺伝子調節)栄養不足メチル化の異常(不適切な遺伝子調節)非曝露正常なメチル化(適切な遺伝子調節)化学物質曝露メチル化の異常(不適切な遺伝子調節)出生後の良好な栄養環境出生後の同一環境健康な成人成人病(肥満,糖尿病)健康な成人成人病(肥満,気管支喘息)A.DOHaDとエピジェネティクス─2.DOHaDの生物学的基盤としてのエピジェネティクス  39通常の妊娠ダイエット下の妊娠通常の妊娠妊娠中の喫煙

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