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─32─    ~翌朝~ 一方で、問題になったときには、それは既にカゼとして認識されないからね。だから、カゼ診療を見直す態度はつくりにくい野崎伊藤先生…! 私も……カゼが…、カゼが………診た…い…ょおはようございます。伊藤ん~すげぇ新しいタイプのあいさつ。おはよう。野崎先生は小児科1年目だけど、今までにカゼの勉強したことある?野崎恥ずかしながら、ないです。だけど、今までにざっと100人以上はカゼって診断した自信はありますね!伊藤そ、そうなんだよね。診たことあるけど勉強はしない。かくいう自分もそうでした。On the Job Trainingといえば聞こえはいいけど、実際はOn the Job Non-Trainingでさ。やるしかないって感じなんだよね。しかも、昨日の野崎先生みたいに気持ちは若干後ろ向きにね。野崎た、確かに……。なるほどです。すみません。伊藤いやいや、そういう人多いよ。なぜか知らないけど、みんなカゼをなめてんだ。前田確かに、初期研修医なのに、嘲笑気味に「カゼっしょ?」っていう態度、自分も含めて、よくやります。伊藤にもかかわらず、特に勉強はしない。なんで勉強しないのか。それは基本的に勝手に治るからだよ。逆にだからこそカゼだと思わせてくれる。カゼに対して本当は意味がない(かもしれない)治療や検査が行われても、結果的に治るから医者も、患者も、なんか意味があるように見えちゃうんだよね。カゼ診療に潜む病理

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