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─33─し、勉強しようっていうモチベーションも起きないんだな。前田なるほど。だからみんなカゼのことを考えたりすらしないわけですね。伊藤あと、他の医者のカゼの診療は、前田先生みたいに変わった趣味がない限り、目にする機会も少ないよね。だから批判的吟味を受けるチャンスがない。するとその意味がないかもしれない診療は、基本的に失敗もしないから「こいつがオレのやり方!ビシッ(≧ω≦)b!」ってなっちゃうのさ。 さらにタチが悪いのが、なぜかそのやり方が連綿と受け継がれて、最終的に「こいつがオレらのやり方! ビシっ(`д´)ゝ!」ってなって、病院毎にお約束処方とかそんなセットができちゃうんだよね。んで、その処方してないとなぜか怒られたり。前田そうなんすよ。2年目の先生からキレられたり! エビデンスないのに!野崎それはあんたがすぐに「エビデンスは!?」とか言うからじゃない?前田でも、正しいことしたいじゃないっすか!野崎正論振りかざされんのは、多くの人は苦手なのよ! 伝え方ってもんがあんのよ。伊藤まあまあ、コミュニケーションが重要って話は、おいおいします。同僚にも患者にもね。 ということで、カゼって勉強しなくても誰でも診れると誤解されていると思うよ。それが深い病理として長いこと横たわっている。だからこそ、先生たちのように、カゼと真正面から立ち向かう必要性について認知できることが重要な第一歩なんだ。私は医師であれば、だれよりもカゼに詳しくならないといけないと思う。

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