─28─成書における“カゼ=common cold”成 書カゼとは……NelsonFeigin and CherryLong*1 *2 調べ物をするときに、自分の時間と患者さんの時間は有限であることを意識すべき。時間があるときは成書を開き、文献検索をして、という方法が許される。しかし目の前の患者さんの問題は自分の時間と関係なく起きるものである。5分で解決しないといけないこともある。時間がないときにはUpToDate®やDynaMed®などの医療系レビューサイトなどを用いたり、最悪信頼できる医師に対する質問、つまり耳勉も辞さない覚悟は必要である。大事なのは耳勉で終わらせずに、確認する癖をつけておくこと 成書は時間があるときは重要な情報ソースであり、世界的なスタンダードだと考えている。情報の刷新が少し遅かったり、疫学は米国の情報が中心になっていることは注意すべきである鼻汁、鼻閉を主症状とした上気道の急性ウイルス感染症である。頭痛、筋肉痛、発熱などの全身症状はないか、あっても軽度である。カゼは感染性鼻炎と呼ばれるが、上顎洞にも波及するため、より正確には鼻副鼻腔炎と呼ばれる鼻閉、くしゃみ、鼻汁、咽頭違和感、無熱ないし微熱を特徴とする急性の、伝染性のウイルス感染症である。医師、医療者はカゼと上気道炎、鼻咽頭炎を同義で用いるが、混用は避けるべきである。上気道炎は非常に広い意味を持ち、多くのカゼに咽頭炎は伴わない上気道炎としても知られる、上気道の(下気道も関連しうる)急性の、自然寛解するウイルス感染症である。症状の特徴は、鼻汁、鼻閉、咽頭痛、咽頭掻痒感の複合で成人によくみられる鼻汁、鼻閉を主症状とする上気道の疾患であるMandell 小児科医としては、『Nelson』は必須だね。あと感染症なら、『Feigin and Cherry』とか『Long』とか『Remington』それから『Redbook』。成人感染症も、ってことなら『Mandell』くらいは目を通すかな*2。 それらの教科書にはカゼについてどんなふうに書いてあるかで、文献の引用がしっかりあって、一番新しい版をね。ただし疫学情報とかは日本の事情とだいぶ異なることがあるので、気をつけているね。な? ちなみにカゼの英語はcommon coldなんだけど……
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