15低流量酸素システム33・「なぜ酸素投与が必要なのか」を意識する。肺炎なのか,無気肺なのか,・体格が小さいと,分時換気量が少ないためFIO2が高くなる。・酸素リザーバの容量が大きいほど,FIO2が高くなる。それ以外の理由なのか。そして,病勢としてはどうかを評価する。・つまり,増悪しているのか,横ばいか,改善傾向か。それによって,どのくらいの頻度で診察するか,看護師によるバイタルサインのチェック頻度をどのくらいにするか(PICU以外の場合:PICUでは最低1時間ごと)のプランを立てる。・病勢が増悪傾向にあるときには,治療のエスカレーションを躊躇わない。悪くなっているようにみえるときに,つい都合の良いほうに解釈したくなりがちだが,冷静に,客観的に患者を評価して,重症度を見極めることが重要である。・オーバートリアージ(悪いと思ったけれど,結局大丈夫だった)は許容されるが,アンダートリアージ(大丈夫だろうと思っていたけれど,実は状態が悪く,対応が遅れる)は避けなければならない。2)患者の呼吸様式・努力呼吸が増強して吸気流速が増えたり,分時換気量(1回換気量×呼吸数)が増えたりすれば,投与されている酸素が相対的に減るため,FIO2は低くなる。3)酸素リザーバの容量・ここでいう酸素リザーバとは,鼻カヌラならば鼻咽頭と口腔咽頭である。酸素マスクならば,鼻咽頭と口腔咽頭に酸素マスクの容量を加えたものとなる。経過のみかた
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