2微生物別にみる 1・RSウイルス(respiratory syncytial virus)はエンベロープに包まれたマイナス鎖RNAのパラミクソウイルス科ニューモウイルス属のウイルスである。56新生児や基礎疾患のある児では重症化するChapter 2・2歳までにほぼ100%の人が罹患しその多くが上気道炎であるが,初感染症例の20〜30%で細気管支炎や肺炎などの下気道感染症を引き起こす。・原因微生物が判明している小児の市中発症の肺炎症例で原因微生物が判明しているもののなかではRSウイルスが一番多く,特に2歳以下および2〜4歳までの年齢では全体の1/4を占めている1)。・多くの子どもにとっては風邪ですむウイルスであるが新生児や早期乳児,心疾患や呼吸器系の基礎疾患を持つ子にとっては,ときに重症化し致死的になりうる。・インフルエンザと比較したものでは,1歳未満の入院率は16倍,死亡率は9倍との報告がある2,3)。アウトブレイクしやすい・NICUやPICU,小児病棟で最もアウトブレイクしやすい微生物のひとつである。NICUのアウトブレイクでは死亡率が13.5%であったとの ◤ココに注意!■■■■■■感染対策
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