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微生物別にみる感染対策57 ◤とるべき感染対策・「飛沫予防策+接触予防策2」とする。・感染者の咳や鼻汁,唾液などの飛沫を浴びることで感染する。また,飛沫を手につけたまま別の患者やスタッフに触れることで感染が伝播する。・飛沫感染がメインではあるが,環境表面でも数時間生存すること,RS感染症の子どもは分泌物を多く排出していること,感染力が高く小児病棟でのアウトブレイクはインパクトが大きいことなどから,飛沫予防策に加えて接触予防策2も行うことが推奨される。感染対策の終了 ◤チェックポイント・飛沫を浴びる場面(点滴介助や抱っこなど体が密着する場面)に適切なPPEを装着することができているか,咳などの飛沫を直接浴びないようなケアができているか。報告もあり,ひとたびアウトブレイクが起きた際には非常にインパクトが大きい4)。・両親やスタッフがindex case(初発症例)となることがほとんどであるが,成人は感冒程度でしか症状がないために気がつきにくく,容易にウイルスが伝播する。大人にとっては風邪・終生免疫は獲得できず,成人になっても感染する。高齢者の一部は重症化することもあるが,基本的には小児期以降は通常の感冒程度の症状である。・だからこそ,罹患していることを意識しないままに新生児などにうつしてしまうことが多い。・明確な指標はない。咳嗽などの症状がなくなれば解除してよいが,咳嗽が遷延する場合もある。2

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