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8発達特性と偏食・・この時期は同年齢であっても成長や発達に差がみられやすく,保護者が他の子どもと比較してしまうことから生じる“問題ではない問題”を抱えやすい時期でもある。・・また,言語や運動の発達,コミュニケーションの課題が表出し始めるため,極端な偏食や拒食,過食や盗食,隠れ食べといった問題が顕著となる。集団生活上の困りごとに発展しやすい時期でもある(集団生活に出たことで明るみになる問題)。・・一方で集団生活に出たことで改善する(家よりよく食べる)こともある。・・この時期の困りごとは,子どもの発達特性に起因することが多い。食事や栄養だけでなく生活全般的な課題を抱えているため,発達特性に応じた関わり方を知っておく必要がある。・・発達特性に伴う極端な偏食は,栄養欠乏症をきたす可能性もある。・・発達特性に伴う偏食と単なる好き嫌いとの違いは,食事以外にも特有のこだわりがみられ「育てにくさ」を抱えているかどうかで鑑別できる。・・発達神経症児の偏食を無理に矯正しようとすると,強迫神経症などの二・・偏食が目立つ発達神経症には,自閉スペクトラム症(ASD)と注意欠・・ASDは興味の限局と反復行動の結果として,特定の食材だけを飽きずに食べ続けそのほかの食材を受けつけないという特徴がある。食べられる食材が限定的であることから,栄養素欠乏症のリスクが高い。・・ADHDは多動性と衝動性の結果として,食事中にも立ち歩いたり,他のことに興味を奪われたりしやすく,安定的に食事が食べられないことが多い。・・また,これまで食べていたものを突然食べなくなるなどの偏食がみられる。食べていた食材を突然食べなくなることから心配な偏食にみえるが,他に食べられる興味が移るだけであり,比較的栄養素の欠乏までは境の変化が子どもの食べ方に影響を与えることがある。次障害へ発展する場合もあるため,注意が必要である。如・多動症(ADHD)がある。

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