ⅢD 2 侵襲的/非侵襲的呼吸管理LH0成人血胎児・新生児血(末梢)胎児・新生児血(動脈)406080100120PaO2(Torr)SaO2(%)10090807060504030201020221図 D-7 ● 酸素解離曲線胎児血の ODC は,成人の ODC より左方にシフトしている。胎児血の酸素濃度は低い領域(L)にあるため,動脈血と末梢血の酸素飽和度の差が大きく,組織への酸素供給にとって有利である。しかし,出生して酸素濃度が高い領域(H)に移動すると,組織への酸素供給にとっては不利になる・・挿管チューブや気管切開チューブを挿入して行う侵襲的呼吸管理と経鼻マスクなどを用いる非侵襲的呼吸管理がある。・・侵襲的/非侵襲的の選択は,呼吸障害の重症度(呼吸補助の必要性の程度),呼吸中枢の成熟度(無呼吸の程度)などから行う。・・侵襲的呼吸管理はチューブを介して気道や肺に直接圧をかけるため,呼吸補助効果は高いが,VILI をきたしやすいともいえる。・・非侵襲的呼吸管理は新しいデバイスやモードが開発されており,従来よりも呼吸補助効果が向上してきている。Intubataion-surfactant-extubation(INSURE)などで,人工肺サーファクタント投与ができるようになったことも,非侵襲的呼吸管理の向上に寄与している。・・早産児に対して初期治療として侵襲的/非侵襲的呼吸管理を行った研究に対するシステマティックレビューが報告されている。・・死亡または CLD は差がないというものや,非侵襲的呼吸管理のほうが良D ハイリスク児の基本的管理
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