・・自発呼吸が不安定であると,中途半端な換気サポートとなることや無呼吸による低酸素発作が頻回になるなどの点に注意が必要である。・・使い分けとしては,CLD 発症・重症リスクが高い,または長期の侵襲的呼吸管理を要し VILI を最小限に抑えたい場合がある。また,自発呼吸があり,従来のモードでは呼吸が不安定になる場合などにも有用性がある。・・高い気道内圧のもと,死腔換気量より小さい 1 回換気量を高頻度に振動させて換気するモードである。・・高い気道内圧により無気肺を防ぎ,小さい 1 回換気量のために容量損傷を防ぐことができる。人工呼吸器関連肺傷害を軽減し得る肺保護的なモードである。・・低い平均気道内圧や分泌物貯留などで振動が伝わりにくいと効果が半減することなどに注意する。・・高い気道内圧による静脈還流の低下などが起こり,循環への負荷となることがある。・・使い分けとしては,肺の状態が悪く従圧式のモードでは VILI が大きくなると考えられるときが有用で,重症の呼吸窮迫症候群,肺低形成,横隔膜ヘルニアなどがこれにあたる。慢性肺疾患の発症・重症化を防ぐためにも用いられる。また,空気漏出症候群や間質性肺気腫など肺の拡張が不均一の場合も有効なことがある。・・基本モードへの追加機能で,1 回換気量を規定し換気量を一定に保つことができる。1 呼吸ごとに圧を変化させながら呼吸サポートを行う。1 回換気量でなく,分時換気量を規定するタイプもある。・・容量損傷を抑えることや換気を安定させること,血中 CO2 の変動を抑え循環動態への影響を少なくすることができる。・・一定の換気量をキープするため,供給圧を確認しないと肺が悪くなっていることが認識しにくいことがある。・・使い分けとしては,呼吸状態が変動しやすい病態において一定の換気量をキープしたいときが有用である。慢性肺疾患などによる肺の状態が悪いときも換気の安定に寄与する。・・また,規定 1 回換気量確保のために必要な圧が下がってきていることが ▶ HFOV ▶ 換気量保証(volume guarantee;VG)Ⅲ章 ハイリスク児224
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