院内感染で問題となる菌種SPACE(+K)抗菌薬の種類・・抗菌薬を理解するためにもうひとつ知っておいた方が役に立つのが菌種の特徴をまとめた略語。玉石混交, さまざまな略語があるが,SPACE(+K)だけはおさえておこう。6種類のグラム陰性菌の頭文字を取っている。Serratia spp., Pseudomonas spp., Acinetobacter spp.,Citrobacter spp., Enterobacter spp., Klebsiella aerogenes・・これらは主に院内感染で問題となるグラム陰性菌である。・・これらの菌はすべてアンピシリンやセファゾリンなど小児でよく使用される抗菌薬が有効ではない。・・このうちブドウ糖非発酵菌であるP・A(Pseudomonas spp., Acine-tobacterspp.)はセフォタキシムも有効ではない。その他の腸内細菌目細菌(SCE+K)に対しては有効ではあるが,AmpCというβ-ラクタマーゼ(p.43)を産生し耐性を示しうるため注意が必要である。・・微生物にも種類があるように抗菌薬にも種類がある。・・小児では感染症を引き起こす微生物の頻度や副作用の観点から成人と比べて使用機会の多い抗菌薬は限られる。・・抗菌薬を覚えるのが苦手! という読者はまずはβ-ラクタム薬(ペニシリン系,セフェム系,カルバペネム系など)とそれ以外(フルオロキノロン系,アミノグリコシド系,マクロライド系,テトラサイクリン系など)に分けて整理する。SPACE(+K)60
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