い2-4)。6・・体温,心拍数,呼吸数,血圧が重要である。・・心拍数は繰り返して測定することで,一時的な異常ではないことを確認する。・・小児において血圧が低下しているときはすでにショックが進行した非代償期であり,心停止が目前である。まだ血圧が維持されている代償性ショックのうちに敗血症を認知することが重要である。・・代償性ショックで出現する末梢冷感,脈拍の微弱,毛細血管再充満時間(capillaryrefilltime;CRT)の延長といった生理学的徴候をバイタルサインに加え評価することで,敗血症の早期認知に役立つ。・・注:敗血症の認知や診断に,原因微生物の種類,血液培養の結果,炎症反応の所見は含まれない。「ウイルスや真菌では敗血症と呼ばない,血培が陽性化していないから敗血症ではない,CRP低値で熱がないから敗血症ではない」は誤りである。・・Sepsis-3では敗血症を「生命を脅かす臓器障害を伴う感染に対する宿主の生体反応調節不全」と定義しているように,敗血症の治療では「臓器を守る」ことが重要な目的である。・・臓器を守るとは,臓器に必要な血流と酸素を可及的速やかに与えることである。・・敗血症の治療においても迅速かつ漏れのない対応を行い予後を改善するためには,バンドルが有用である。・・治療バンドルの詳細は各ガイドラインなどで内容を確認してもらいた・・本書では「小児科専攻医が当直中に1人で初期対応する」場合を想定して解説する。
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