b.病理学的T因子:原発巣

病理学的T因子は,臨床T因子(4頁)に準じているが,pTis,pT1mi,pT4d/pTXに関

する記載内容が異なっている。

pTX:原発腫瘍の評価が不可能

pT0:原発腫瘍を認めない

pTis:非浸潤癌

pTis(DCIS):非浸潤性乳管癌

pTis(LCIS):非浸潤性小葉癌(AJCCでは除外)

pTis(Paget):乳腺実質中の浸潤癌および/または非浸潤癌(DCISおよび/また

はLCIS)とは関係のない乳頭のPaget病

pT1:最大径が20mm以下の腫瘍

pT1mi:最大径が1mm以下の微小浸潤

注1)

pT1a:最大径が1mmをこえるが5mm以下

pT1b:最大径が5mmをこえるが10mm以下

pT1c:最大径が10mmをこえるが20mm以下

pT2:最大径が20mmをこえるが50mm以下

pT3:最大径が50mmをこえる腫瘍

pT4:腫瘍の大きさに関係なく,胸壁および/または皮膚への直接浸潤(潰瘍または皮

膚結節)

注2)

pT4a:胸壁への浸潤(胸筋浸潤のみは含まれない)

pT4b:潰瘍形成,同側乳房の衛星皮膚結節,または皮膚の浮腫(橙皮状皮膚peau

d’orangeを含む)

pT4c:上記の4aと4bの両方

pT4d:炎症性乳癌

注3)

第2章 切除標本の組織学的取扱いと記載法

69

図3 浸潤巣の大きさの測定方法

浸潤巣の最大径とそれに直交する径をmm単位で記載する(a)。
複数の浸潤巣が存在する場合はその旨を記載し,最大浸潤巣の
大きさを測定する(b)。